藍子学演習第二 〜未来へのお散歩〜

 高森藍子担当のTofuです.D@NPEN2020年アドベントカレンダー23日目の記事を担当します.

adventar.org

 先日,藍子Pである1氏にお話を伺いました.彼はなぜ,藍子の隣にいることを決断したのか.今回は,彼から溢れ出た言葉を紡ぎ,担当アイドルという概念,そして高森藍子について考察します.

 この記事は,藍子学演習シリーズの第2弾です.内容は基本的にTofuの主観であり,1氏及び藍子に関する情報の真偽を補償することはできません.

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tofup.hatenablog.com

第一章 1氏の経歴

アイドルマスターとの出会い

 1氏のアイドルマスターは,アニメ版シンデレラガールズから始まりました.当時は特別な思い入れはなく,数ある「キャラが多い原作を元にしたアニメ」という認識に留まっていたとのこと.

 同時に,職場の同僚から勧められたのもあり,スターライトステージをインストールしてプレイを開始.勧めた本人だけでなく,他にも何人かプロデューサーが身近にいたこともあって,モチベーションを保ちながらプレイし続けられたようです.

担当アイドルとの出会い

 1氏が「担当アイドル」という概念に初めて触れたのは,大学時代にTwitterで繋がっていた知り合いの方が,それについて語っていたときのこと.この時,1氏は大まかに,他のコンテンツにおける「推し」=アイドルマスターにおける「担当アイドル」という知識を得て,ことソーシャルゲームに展開したアイドルマスターにおいては「プレイするコンテンツの基準」に相当することを知ることになります.

 やがてスカウトチケットが販売されたとき,彼は本格的に担当アイドル探しに取り掛かりました.アニメ版で気になっていた杏と,ストーリーコミュで印象づいていた藍子の二者択一を後者が制し,担当アイドルとなったようです.

 さらに,彼はプロデューサー活動のためのTwitterアカウントを開設することを決意.藍子Pを特にフォローし,そのコミュニティに参入することになりました.

第二章 優しさに照らされて

言葉の力

 藍子に初めて強く惹かれた理由に,彼女の声と雰囲気,特に早い段階で深く掘り下げられた要素は雰囲気であると述べる1氏.真っ先に目に付く彼女の優しさだけでなく,生存本能ヴァルキュリアのコミュ4話やメモリアルコミュの4話,加えて情熱ファンファンファーレのコミュ3話での「恋愛相談に対して,誰も傷つかない答えを器用に導いて言語化する」という描写を通じて,彼女の表現力における信憑性の高さに驚かされたといいます.

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 1氏にとって,藍子の見方が一番大きく変わったのはこの出来事でした.普通に見るだけでは「優しい子」であることしかわからないけれど,じっくり見ると「器用に人間関係を構築・調整できる子」であることを知った彼は,これを契機に彼女のセリフの一つ一つを注意深く読解しようとする意識が芽生えることになるのです.

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 他にも,Pの名前を多く出すアイドルであることも,彼には印象的に映ったとのこと.この特性は,後述する藍子との関わり方にも大きく結びつくことになります.

笑顔を目指して

 できるだけ,ポジティブに楽しいことを優先すること.そして,常に優しくあろうとすること.これらの藍子の個性は,1氏のTwitterアカウントの運用方針にも少なからず共鳴し,影響を与えることになりました.誰かへの否定・侮蔑はしない,また過度にリアルの情報を共有しないなど,可能な限りみんなが笑顔になれるようなツイートを目指しているというのは,今も変わらない前提である様子.

 しかし,1氏にとって,藍子の「Pの笑顔が好き」という言葉は,彼女の意図とは別のところで,1氏に暗い影を落とすことになります.その原因は,皮肉にも彼が意図的に遠ざけていた,リアルでの自分との乖離にありました.

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第三章 失われた可能性

憧れと諦め

 1氏の藍子に対する想いは,時間の経過と共に「いい子だなぁ」という感銘から,「こういう人間になれたらよかったのになぁ」という諦観に変わっていきました.自分は藍子とは違うという事実は,当たり前でありながら,彼女を深く知れば知るほど重く心にのしかかります.

 プロデューサーとしての自分と,リアルでの自分.Twitterアカウント作成時に明確に引いてしまった境界線の裏から,見えてくるものがあったようです.

諦めと悟り

 先述の通り,藍子は毎日をできるだけ楽しく送っていますし,そのための努力もしています.それは人間関係に対する丁寧な立ち回りであったり,他者を思いやり,優しく接することであったり.

 しかし,1氏は自分の人生にさほどの価値と意義を見出してはいませんでした.彼は言います.自分がたどってきた道は,常に誰かが作った導の上にあり,極端なことを言えば,まるで「消化試合」のようだったと.それは,藍子の哲学とはかけ離れているからこそ,彼女と接するほどに,差を実感するようになったと.

 今まで見えなかったものが浮き上がってきて,彼の諦めは,「これからも流されて生きていくんだろう」という悟りに変貌してしまいました.

歪み

 リアルの自分とプロデューサーである自分のギャップを認識したことで,1氏は「自分が隣にいることで,藍子の足を引っ張っているんじゃないか」と考えるようになります.

 「藍子は,『歩けなかった道はない.あなたと一緒に歩きたい』と言ってくれるけれど,本当の自分はそんなに大した人間じゃない」

 「藍子の言葉に力があることはわかっているから,きっと彼女にとってプロデューサーはそういう人であると思うけれど,自分の笑顔は嘘で塗り固められている」

 「藍子は,自分の不毛な過去の反動で担当アイドルに選ばれたんじゃないか」

 数々の想いが彼のうちに渦を巻き,それは藍子自身を歪めてしまうのではないか,という懸念に発展.それは,「自分のTwitterでの情報発信によって,高森藍子というコンテンツそのものに迷惑がかかるのではないか」という憂慮を意味していました.

第四章 背中合わせの二人

影を飲む光

 確かに,藍子のおかげで自分は幸せになれた.しかし,自分が彼女の隣にいることは,彼女自身の幸せに繋がるとは限らない.藍子に憧れ,P活動をすることは間違っているのではないかという疑問が,彼を捉えて離しませんでした.

 しかし,彼は思い直します.自分が藍子からもらったものは,果たしてリアルの自分への後悔だけだったか.藍子をプロデュースする日々がもたらしたのは,彼女への後ろめたさと申し訳のなさだけだったか.

 それは違う気がする.こんな自分だからこそ,藍子の哲学に惹かれたのではなかったか.ここで手を引くことは,今までの自分と変わらないのではないか.こんな自分になら,Twitter誰かを笑顔にしようと,努力できるのではないか

 藍子がもたらした影をはらったのは,1氏が藍子からもらった信念でした.

憧れを目指して

 藍子に教わった生き方を実践し,Twitterの藍子P界隈を盛り上げる1氏.誰かとの接し方や考えを表現する手段を工夫するという能力は,藍子がくれたもので,それを活かすことにやりがいを感じているとのこと.

 「プロデューサーは担当アイドルに似る」とはよく言ったものですね.1氏はこの慣用句を受けて「自分が担当したのが藍子でよかった」と言っていました.しかし,著者としては,藍子と1氏が出会ったのは必然であり,その導きは運命的であったと思わずにはいられません.なぜなら,彼のお話を聞くほどに,彼が笑顔を目指したいと思ったのは,その心に枯れていない笑顔の種があったからだと考えられたからです.それが,藍子という光によって発芽したものだと,強く信じているからです.

第五章 16歳の女の子

 藍子がプロデューサーを支えているのと同時に,藍子もまた支えられるべき心の弱さがある.そう言った1氏はいくつかの藍子のセリフを例に挙げ,彼女の心の弱さを論じました.

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 もともと,藍子は「トップアイドルを目指す」と宣言するアイドルではないため,総選挙などの勝負事においては他のアイドルに相対的に大きな差をつけられることがあります.しかも彼女はそれを憂うことはなく,何よりも協調を重んじている.この性質は,彼女の「アイドルに向いていないんじゃないか」というこのアイドルマスターというゲームにおいて根本的な問題を提起しました.

 藍子の光は強い.限りなく強いです.しかし,その光はある弱さからもたらされるものなのかもしれません.だから,藍子はプロデューサー,そして他のアイドルを支え,支えられる存在になってほしい.そして,みんなと共にあることで,アイドルとして大成してほしいと,1氏は強く思っているのです.

まとめ

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 1氏が見たもうひとつの可能性,高森藍子について書きました.彼が,過去ではなくこれからの未来へ,藍子と共にゆっくりお散歩していくことを,一人の藍子Pとして切に願います.

 明日の記事はユタシュンさんです.よろしくお願いします.